主婦な自分を楽しむブログ「あさこのゆ」について
妊娠出産コラム

自分だけは大丈夫・・・じゃない。すぐ隣にある自然派の扉

Pixels

自然派と呼ばれる、現代医療を否定する一部の界隈。

キャベツ湿布に長芋パスタ、母乳が出るお茶に始まり反ワクチン・ステロイド、なんかもういろいろあります。

最近、友人が「◯歳まで母乳だけで子どもを育てる(離乳食等一切与えない)」説を実行していることが分かって、ショックというか、心配になりました。

はたから見ると、「いやいやいや、そんなの信用する方も悪いでしょ」「そんなの信じて実行するなんて、信じられない」って思ってしまいます。私も思います。

でも、そういう「自然派」みたいなものは、巷に溢れていて自分のすぐ隣にあったりします。

実は私も、一瞬足を踏み入れそうになった…ことがあるのです。

私の経験が反面教師となるように、「こんなきっかけで?!」や「自分の家族がこうなるかもしれない」みたいな、少しでも何かの参考になればと思ったのでこちらに書きます。




きっかけは、不妊と流産。気がつけばブログを読み漁り、救いを求めていた

私は20代の時、夫婦ともに原因不明の不妊に悩まされていました。

高額な費用と時間を費やし、心身ともに疲れたころ、やっと妊娠。

喜び、これからの未来に期待を膨らませたのもつかの間、流産してしまいます。

悲しむ間もなく手術をすることになり、生まれて初めての手術で不安な気持ちと、どうして流産したのか知りたい気持ちなど、いろんな感情が混ぜこぜになり、ネットで流産手術の経験談や流産が起こる理由などについて調べることに。

そんな時に出合ってしまったのがいわゆる「子宮系」と呼ばれる界隈のブログでした。
(「流産 理由」とか「不妊 なりやすい人」とかで出て来ちゃうんです)

男性と肩を並べて仕事をするなど、女性性を大切にしない人は不妊になりやすい

自分の欲求(性的・金銭的・何でも)に正直に生きれば不妊も流産も解消する

子宮に話しかける

子宮は宇宙

こんな、今読んでみるとよく分からない文章が並ぶブログが、なぜか私の心を癒しました。きっと「これ、私のことだ」と感じてしまう部分があったからだと思います。

そして、その人のブログだけでなく、リンクされてあるお仲間のブログまで見に行っていました。

子宮系から自然派へ。反医療、反ワクチン、布ナプキンで子宮をいたわり、水晶を入れると妊娠する

なんだ、これ、子宮系のブログにハマった人の話じゃん。って思いますよね。

違うんです。こういう界隈は必ず自然派とつながっていて、現代医療を否定、代わりに医学的根拠のない話を信じさせられてしまうんですよね。

例えば不妊や流産に悩む人には、医学による原因特定や不妊治療の存在を否定。

そんなもので自分の業(!?)が溜まりカチコチに固まった子宮(なんじゃそりゃ)が温かくフワフワになることはない。そんな子宮には赤ちゃんが来るはずもなく、来たとしてもすぐ帰ってしまう。

なので、子宮を温めるために子宮系界隈の子宮マスター(!)が念を込めながら作った布ナプキンの使用と、膣に水晶を入れて生活することで子宮に溜まった業を排出しよう!みたいな、そんなことが真面目に書かれているんです。

医学上で推奨される範囲の体質改善や不妊治療のために使うお金を、物販販売やセミナーに落とすように、こういう内容のことがもっともらしく説かれています。

さらに、子宮頸がんワクチンを受けると不妊になるとか、子宮系界隈の有名人が子どもには予防接種の類は絶対に受けさせない、ステロイドは悪だ、そんなことも日々ブログで発信しています。

単に自分は受けない・受けさせないじゃなくて「予防接種を受けると、子どもが将来こんな大変ことになる」みたいな、恐怖感をあおる論調です。

そうすると、子宮系の有名人やブログ主を信じる人は、その人たちの言うことを実行し、販売するグッズを使用、医療から遠のいてしまうんですよね。

もし、私が不妊や流産がきっかけで子宮系の人たちの言うことが正しいと思い込み、実行した結果子どもを授かり出産したとします。

そうすると、もっとこの人たちの主張を信用して、もしかしたらそのまま子どもに予防接種を受けさせなかったかもしれません…。考えるだけで、怖い。

(ちなみに、膣に水晶は言語道断ですが、布ナプキン自体は悪いものではないです。紙ナプキンだとかぶれるという人もいます。ただ、普通1枚数百円で買えるものが、子宮系の物販となるとその10倍の値段だったりするようです…)


誰でもハマりうる、すぐ隣にある自然派。情報の取捨選択を誤らないために

私はその後、希望していた部署へ移動となったことで忙しくなり、子宮系のブログを読む時間が少なくなりました。

同時に、周囲に恵まれ仕事内容を認められたことで昇級し、

「自分は子どもを産み育てる人生は送れないかもしれないけど、その分仕事や自分のことを充実させよう」

「自分が管理職となって子どもを産み育てる女性や不妊治療を頑張っている人がお仕事しやすい環境を作ることって、間接的に子育てをすることかもしれないな」

など、自然と今の自分を肯定できるようになり、気が付けば子宮系のブログから離れ、それらの内容を思い出すこともなくなりました。

私はたまたまブログを読むだけという初期の段階でこれらの界隈から距離を置くことができましたが、一歩間違えていたらグッズを買い漁り、セミナーを受講し、子宮系や自然派にハマっていたかもしれません。

こういった界隈は、妊娠・出産にまつわる悩み、育児だけでなく病気で苦しんでいる人のすぐ傍に存在し、不安をあおり、理想を語ってするりとその人の心と生活に入り込みます。

私は絶対こういうものにハマることはないと思っていました。

周囲からも、「ハッキリした性格で躊躇なくNOが言える人」だと認識されているため、ねずみ講や補正下着、化粧品、保険なども勧誘されたことがありません。

でも今は、人づてでなくてもネットで根拠のない健康法などに簡単に、無料でアクセスできてしまいます。

誰でも、心の隙間にこういうものが入り込む瞬間があるんです。

だから、「自分は(家族は)大丈夫」と高を括るのではなく、常に情報の取捨選択は誤らないようにしていくことが大切だと思います。

私は信頼できる情報発信者を複数持つようにしたり、今気になっているものがあれば逐一夫に話すようにしたりしています。

自分や家族のかけがえのない健康や大切なお金を守るために、皆さんにも気を付けていただきたいなと思うばかりです。